- Good Quality -
アルト・アディジェの「ヴァッレ・イサルコ」というあまり聞き慣れないDOCですが、シュッド・チロルと呼ばれるこの地はオーストリアとの国境も近く、日常的にはドイツ語が用いられます。僅か0.85haの畑から造られるのがこのゲヴュルツトラミネールですが、ケルナーやシルヴァーナーよりもさらに高アルコールの「15%」となっており、ライチ風味の果実味とアルコールの辛味とのピュアな相乗感が印象的です。
表情そのものはシンプルな系譜にあり、ある種ストレートに品質を重視したゲヴュルツトラミネールらしいスタイルだと言えますが、辛味の辛辣さと甘味の親近感が生み出す世界はやや端的な側面も内包しています。品質の高さそのものは感じられるものの、ケルナーのような一般受けしそうな表情とはやや異なる性質を持っているので、相対的には多少飲み手を選ぶワインなのかもしれません。それでも、ハッキリとした意思を持つ系譜なのは確かなので、高品位なゲヴュルツトラミネールを望む人にとってはうってつけのアイテムになりそうです。
(2012/07)