- Good Quality -
ポリツィアーノが造るモンテプルチアーノの中でも、上級クリュにあたるのがこの「アジノーネ」です。今回の2007年は25周年記念にあたり、特別仕様のラベルとなっています。
12年ぶりの試飲となるアジノーネですが、前回のヴィンテージと比較するとやはり大幅に「現代化」された印象が強くなっているものの、それでも良い意味での変化具合となっているので、その基本姿勢はポジティブに受け取れると思います。
さすがにノーマルのヴィーノ・ノービレとはひと味違う風格があり、その資質は明らかに上のクラスといった印象です。クッキリとした輪郭に適度な硬質さ、そこに樽の風味と酸がうまく一体化した良質な表情を見せてくれます。とはいえ、やはりベースにあるのは「甘味」で、際立つような安易さはないものの、ノーマルのヴィーノ・ノービレやロッソと同じ資質だったりもするので、ワイン単体でじっくり飲み進めた場合は時間とともにやや気になる傾向にはあります(料理とうまく合わせた場合は逆に魅力になるかも?)。正直、ここまで甘味に力点を置く必要はないと感じますが、それでも、そこはやはり同社が誇る看板アイテム「アジノーネ」。決してバランスが破綻することはなく、どの時点の表情においても素直に楽しめるだけの明確な「美味しさ」を披露してくれるので、おそらく幅広い層に対して満遍なく訴求してくれると思います(最大のネックはやはり「価格」)。
(2012/02)