- Good Quality -
基本姿勢は同社のロッソ・ディ・モンテプルチアーノとほぼ同じですが、樽系のほろ苦さや酸など、体躯ベースとなる部分に補強が加わっており、更にすべての要素が少しずつ質実さや精緻さを増しているような傾向にあります。さすがにスタンダードのロッソよりも格上的な雰囲気を感じますが、それでも「短時間で1杯だけ飲む場合は高い評価が得られそう」「反面、時間をかけて向き合うと欠点が徐々に露になる」といった指向性は色濃く残っているので、実際は飲む時と場合によってかなり評価が分かれそうな印象だったりもします。
例のごとく翌日に持ち越すと「甘味」が気になる(食事に合わせ難くなる&やや杯が進み難い)という傾向にはあるものの、それでもヴィーノ・ノービレらしい質実さや全体の底上げ感もあってスタイル自体は概ね良好で、特に抜栓直後の魅力ある表情は素直に「美味しい」と感じます。根本的な問題として、やや醸造技術と市場が求む声(嗜好)にバイアスをかけすぎな印象もありますが、コアにはちゃんとモンテプルチアーノらしさが根付いてるようにも感じられるので、日常で嗜めるような価格帯(2k円+程度のレンジ)であれば相応の満足感は得られると思います。
(2012/02)