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5年ぶりとなるペルカルロの2001年ですが、今回の1本は5年前の試飲時と同時期に手元にきたものの、それでも流通経路などは異なるアイテムとなっていて、吹いた後が見られる点など、コンディション的には多少懸念があるロットとなっています。
10年熟成のベルカルロというのは初体験ですが、まだまだ熟成感が伝わってくるような状態ではなく、果実には適度にフレッシュさも残っているので、寿命という観点からするとまだまだ置いておくことは可能です。とはいえ、熟成によって大きく花開くような世界観ではなく、兼ね備えた姿は以前の印象の延長線上にあり、本質的にはそう違いはないとも言えるので、基本的にはいつ飲んでも特に問題ない(その良さはいつでも実感できる)タイプのワインなのかもしれません。
今回のロットはやや状態の懸念がありましたが、特別劣化したような傾向にはなかったので、まずは一安心といったところです。とはいえ、吹いたワインに垣間みられる傾向にある、浮ついた酸やざらざらとした表面は確かに感じられ(僅かではありますが)、それ以外にも熟成による成長過程がそれほど噛み合っていない(綺麗に昇華しきっていない)ように感じられるので、どちらかというとハズレボトルに該当する1本なのかもしれません。
今回の1本のみを考慮した場合はあまりお薦めできないものの、サンジョヴェーゼらしい酸味主体の表情と、綺麗で端正な姿ながらもやや単調な傾向にある点など、そのコアにある指向性そのものは5年前と同様なので、「2001年のペルカルロ」という存在そのもののを俯瞰した場合は、十分価格帯に見合った内容を披露してくれるようにも感じられます。一概に比較は出来ないものの、個人的にはトスカーナのサンジョヴェーゼ系ワインとしては「テヌータ・ディ・ヴァルジャーノ」を推したいところですが、このペルカルロに関してはより入手が容易で、しかもバックヴィンテージであってもそれほど価格が高騰していないので、現実的な選択肢としてはより大きなメリットがありそうです。
(2006/10、2011/10)