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ボジョレーを遥かに超えるクオリティを発揮し、近年話題になるとともに非常に高い評価を得ている「ジャン・クロード・ラパリュ」が造るクリュ・ボジョレー「ブルイィ ラ・クロワ・デ・ラモー」です。ラパリュがラ・クロワ・デ・ラモーの畑を取得したのは2003年になりますが、一番古い区画の葡萄は1915年に植えられており、非常に高い樹齢になっているのが特徴的です。
約3年ぶりの試飲となりましたが、前回と同様ボジョレーらしからぬ凝縮した果実とその豊かな甘味は健在ですが(もはやブラインドでは判別不能級)、以前のような糖質感はもはやなく、程よい熟成の効果も加わって、抜栓直後から美味しく楽しめてしまう、素直な心地良さを持つスタイルへと綺麗に昇華してくれています。基本スタイルは当時のままですが、ここまで綺麗に心地良く成長してくれたというのは素直に喜ばしく、良い意味でアメリカ市場を見据えたような豊かな果実っぷりと、その奥にしっかり鎮座する自然感(ある種の田舎っぽさ?)は明確な魅力となっているので、この世界観であればそのまま多くの人に喜んでもらえそうな印象です。
当初はもう少し熟成させても面白そうな気もしましたが、翌日以降に持ち越し、純粋な果実味以外の要素が主体となったスタイル、そしてそこにいたる変遷等を鑑みると、やはり抜栓日にみられる「味覚としての美味しさ」を重視して楽しんだ方がより高い満足感が得られそうです(今なら抜栓後45分程度で開いてくれる)。まったく別物とはいえ、瞬間的に魅せる表情としてはDRCの「キュヴェ・デュヴォー・ブロシェ」を彷彿とさせるものもあったので、うまくピークを拾い上げてやれば、相対的な満足感はより一層高くなると思います(ただしピーク維持力(構造維持力)はそれほど高くはないので要注意)。
(2008/06、2011/05)