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サッシカイアでお馴染みのテヌータ・サン・グイードが造るもうひとつのワインがこの「グイダルベルト」。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン60%にメルロー40%(2003年まではサンジョヴェーゼも少量ブレンド)。セカンドラベルの「レ・ディフェーゼ」とは異なり、その世界観はよりサッシカイアに近くなっています。
レ・ディフェーゼの印象がそれほど良くなかったこともあり(価格帯的に)、グイダルベルトの方にも多少の不安が過りましたが、セパージュと同じように実際の世界観ももはや別物というほどの差異があり、完全ボルドースタイルといった印象ではないものの、系譜としてはサッシカイアにも通じるサン・グイードらしい手腕が感じられます。
タンニンはかなり重厚かつ豊富で、現時点ではヒリヒリするほどの質感を持つ収斂傾向にありますが、メルローの効果なのか、体躯内部は適度に柔らかく豊満で、トロミある完熟果実の風味とともに「今からでも十分楽しめる」スタイルに仕上げられています。イタリアらしい野生感ある土着的な佇まいも感じられ、長熟系の要素を兼ね備えながらも、今から飲んでその全容を享受できる指向性は、サン・グイードによる明確なポジショニングの妙が存分に発揮されていると言えるので、サッシカイアが好きな人であれば「弟分」的な感覚で大いに楽しめると思います(コストパフォーマンスを重視した場合は最もお薦め)。
(2010/10)