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1992年に創業、1998年にムルソーに拠点を移した「ロドルフ・ドゥモジョ」の「ポマール」です。
グラスに移してすぐの香りからしてもう魅惑的。ロドルフ・ドゥモジョらしいバランスの良さや、綺麗でカッチリした体躯は健在ですが、良い意味で化粧っけを感じる華やかな果実の魅力が明確で、内包する密度やエネルギーにしっかりとした存在力が感じられます。
エプノトやボー・フジェと比較すると、純粋な個性や世界観の明確さといった側面では一歩譲るものの、そのかわり上のレンジを感じさせる充実感や豊かさ、そしてそれが心地良い美点へと繋がってくれるので、個人的にはこのポマールをまず推したいところです。
単体でみた場合の純粋なお薦め度という意味においてはそれほどでもありませんが(数が少なくやや高価な傾向にあるのも気になる)、妙な作為のない、いたって真っ当に造られた素直に良いワインであることは確かなので、選んで失敗するようなことはまずないと思います(そういう意味では2007年のブルゴーニュ・ブランも思いのほかお薦め)。
心地良い微笑ましさがあり、その方向性やスタイルは概ね前年と同じ「素直な質の良さ」がコアにあるので、以前ここのポマールを飲んだことがある人であれば、よりすんなり理解できる内容になっていると言えそうです。
(2010/04)