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コストパフォーマンスに優れる良質なバルバレスコを造るとして評価の高いプロドゥットーリ・デル・バルバレスコです。良年の2004年だけあって、過去最高とも言える出来だった2001年に比類する仕上がりとなっています。
とてもバランス良くスッキリと纏まっており、ネッビオーロらしい構造力と落ち着き払った自然な佇まいを兼ね備えています。ハッキリとした優しい赤系のキュートな果実味を感じますが、しっかりとした厚みを持つ果実感であることから、より下のレンジにみられるような安易な果実味とは根本的に異なる資質となっています。グラスに長い時間放置すると、果実味が減ってタイトな酸がやや浮く傾向にありましたが、それほどネガティブな印象は無く、むしろもう少し熟成させても面白いかも?と思わせる表情でもあるので、このあたりはまたひとつの可能性を含んだ資質と捉えることも可能です。
単一クリュのリゼルヴァシリーズが持つ緻密さやエネルギーは兼ね備えていないものの、それでもこのクラスを一歩抜け出すポテンシャルを持っているので(なおかつ素直に美味しい)、ひとつの基準となる「美味しいバルバレスコが飲みたい」という場面に打ってつけだといえそうです。通常レンジのバルバレスコは、1999年や2000年あたりを境にして年々わかりやすい果実ベースの表情へとシフトしてきている印象ですが(もちろん良い意味で)、このスタイルは概ね完成系へと辿り着いているようにも感じるので、おそらくヴィンテージの良し悪しにあまり左右されること無く安定してお薦めできそうです。
(2010/01)