- Good Quality -
従来はテスタマッタの基準に達しなかったものを格落ちさせグリッリにしていましたが、この2004年からはグリッリ用の畑が用意され、最終的にテスタマッタの格落ちとブレンド後、ステンレスタンクで落ち着かせるという手法がとられています。セパージュはサンジョヴェーゼ75%、コロリーノ15%、カナイオーロ10%。ステンレスタンクで品種ごとにアルコール発酵が行われ、その後バリックでMLF、そして同バリックで16〜18ヶ月間熟成されます。
2003年のテスタマッタに感じられた、「今でも飲める柔軟さ」と「充実した体躯や堅牢感」の両立指向がさらに一歩進められたような印象でもあり、どの要素もそつなく内包した2004年というヴィンテージの恩恵が感じられる内容になっています。ビービー・グラーツらしい充実感や凝縮感が遺憾なく込められ、それでいて以前は感じられたある種の痣とさが特に無いこともあり、終始一貫疑うこと無く素直にその良質さが伝わってきます。しかし、その良質さとは裏腹に、心に伝わるような明確な美点が不思議なほどになく、印象に残ること無くさらっと過ぎ去っていくので、飲み終わった後にまでその姿や表情が思い浮かぶことはありません。
良くも悪くも「これはいいワインですね」と、その瞬間のみにおいて評価されるような印象でもありますが、以前より多少価格が下がっている傾向にあり(ようやく?)、単なる格落ち(=セカンド)といった2003年以前とは違い、良い意味でセカンドワインらしさが出てきているようにも感じられるので、相対的には十分納得出来るクオリティレベルに到達していると言えそうです。
(2009/11)