- Good Quality -
「ノン・コンフンディトゥール」としてのセパージュ比率は、カベルネ・ソーヴィニヨン40%、メルロ-20%、シラ-20%、サンジョヴェーゼ20%という構成に落ち着いたようですが(2004年と同じ)、実際に受ける印象はこれまでと同様にやや異なります。2005年はよりフレッシュさや溌剌とした果実感、そして軽快な酸にスポットが当たったスタイルで、翌日以降に持ち越せば、アルジャーノらしいモダンスタイルからなる濃密さ、そしてセパージュ由来の骨格感やスパイシーな風味が露になる傾向にありますが、やはり全体としては軽快なスタンスを楽しむような世界観だと言えます。
ファースト・ヴィンテージとなった2002年の「プチ・ソレンゴ」な世界観を出発点とすると、年々クオリティ系から気軽に飲める系へと推移しているように思えますが、それでも価格帯を考えるとそれなりにやるべきことはやってくれていると言えるので、「いつでも安心して楽しめる」というノン・コンフンディトゥールらしいアイデンティティは十分確立できていると思います。残念ながら今回のボトルは軽~中程度のブショネだったので、その真価をキッチリ見定めることはできませんでしたが、それでも指し示す概要や世界観は十分理解できるレベルだったので、まずは一安心といったところです。
(2008/08)