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2002年とは大きくセパージュが異なり、カベルネ・ソーヴィニヨン40%、メルロ-20%、シラ-20%、サンジョヴェーゼ20%という構成に変更されています。ソレンゴの格落ちだった2002年はまさに「スモール・ソレンゴ」といった世界観でしたが、今回の2004年は全く別の新しいワイン「ノン・コンフンディトゥール」といった仕上がりになっています。
セパージュとは異なる印象を見せた2002年でしたが、今回もセパージュに反する印象が多少あり、ややサンジョヴェーゼ的な骨格要素が先行して感じられます。さらに、シラーがブレンドされたことによる効果か、重心が僅かに下げられることによって適度な安定感が生まれ、クラス相応の体躯力&サンジョヴェーゼ系のタイトさを程よく補ってくれます。
香水的な魅惑要素、仄かに草を感じさせる落ち着いたスパイス風味、そつなく纏まった密度感、それら多くの要素が「抜栓してすぐ楽しめる」よう仕立てられいて(2日目の方が一体感は上)、これぞまさに「アルジャーノ節」だと痛感します。いたってモダンな分かりやすいスタイルでありながら、決してネガティブな方向に転ぶことの無い「行き渡った制御手腕」が見事なので、実際には価格帯相応の「決して背伸びしないポテンシャルレベル」なのに、飲んでいて素直に楽しく、最終的に受ける印象は程よく良好なものになります。
スタイルがソレンゴ的というわけではなく、あくまでも2k円レンジ相応の内容ではありますが(日本人的感覚だと、純粋な点数評価はあまり伸びないような気もする)、それでも「アルジャーノのワイン」ということがしっかり伝わる世界観を持っているので、今抜栓してすぐ楽しめるワインとしては、かなり有用なアイテムになると思います。
(2007/12)