- Good Quality -
この2004年がファースト・ヴィンテージとなる「レ・シーニュ・ド・サン・ジュリアン(サン・ジュリアンの白鳥)」ですが、シャトー買収後に植樹した若木を中心に造られるワインで(平均樹齢18年)、古樽のみで6ヶ月熟成させるなど、ファーストラベルやセカンドのフィエフとは異なるスタイルで仕上げられます。
ややサラッとした酒質で、全体を通じてフラットな指向性となっていますが、クッキリした緑系のハーブ風味が程よいアクセントになっているので、カベルネが好きな人であれば素直に楽しめる内容になっています。
各所において突出した要素がありませんが、逆に言うとうまくバランスしているとも言えるので、本質的に兼ね備えたエネルギー量を考えると、指し示す方向性が明確なだけあって思いのほかうまく仕上がっている印象を受けます。新たに就任した椎名敬一氏の手綱捌きが伺える良作だと言えるので、手頃な価格帯で手に入るようであれば十分お薦めできます。
(2008/07)