- Good Quality -
高いクオリティのブルネッロを生み出すことで有名な造り手「ペルティマーリ」。そのペルティマーリを所有する「サセッティ家」が、近年注目が集まる産地「マレンマ」でこの「イストリチャイア」を造っています。
同じサセッティ家が手掛ける、同ヴィンテージの「フィリ・ディ・セータ」とはまったく世界観が異なることに驚きます。セパージュはサンジョヴェーゼ・グロッソ80%、チリエジョーロ20%ですが、身近な立ち振る舞いを感じる軽快なスタンスで、本質的には近年ちらほら見かける傾向ににある「カザマッタ的スタイル」だと言えます。
自然に生ったようなピュアな野いちご、木の実などが感じられるものの、甘味は果実的というよりもやや糖質的で、全体的にやたらとクリーン(画一的)な傾向にあります。しかし、実際にはそこまであざといわけではなく(カザマッタと比較して)、素直に楽しめる範疇におさまるよう適度にコントロールされているので、この系譜のワイン特有とも言える「時間を与えると意外な質実さを見せる」というスタイルを考慮すると、全体的には思いのほか素直に受け入れられる良質さを持ち得ていると感じます。
やや難しいと感じたのがグラスの選択で、そのスタイルからくる滑らかさやミッドの表情を存分に楽しみたい場合は「416/0」などの大振りなボルドーグラスを選択し、逆にサンジョヴェーゼらしいタイトで力強い骨格力や力強さを楽しみたい場合は「416/15」などの細身のキャンティグラスを選択すれば良い結果が得られますが、どちらを選択しても甲乙付け難い表情を見せてくれるので(互いに一長一短な面あり)、最終的には飲み手の嗜好に合わせたグラスを選択する必要があると思います。
(2008/01)