- Good Quality -
ペルティマーリと言えば高い評価を得る「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」が有名ですが、この「フィリ・ディ・セータ」はブルネッロよりも手軽に飲めるIGTワインとなっています。
2003年のセパージュは、サンジョヴェーゼ60%、カベルネが40%で、熟成にはバリックが使用されます。現状では2日目で本領が発揮される傾向にありましたが、基本スタンスが「いつでも気軽に美味しく飲める」といった感じなので、早飲みしても特に問題はなく、最終的な印象はそう変わらないと思います。
現代的な造りなので、万人に受け入れられそうな間口の広さが印象的ですが(セパージュの個性はあまり感じない)、猛暑だった2003年の作柄が影響しているのか、果実味がいかにも甘苦いうえ、体躯が全体的にフワフワと柔らかく、どこかピントがハッキリしない傾向にあったので、この物腰の柔らかさをどう捉えるかで楽しみ方が変わってきそうな気がします。
純粋な点数評価はあまり期待できないかもしれませんが、決してダレることなく着実に世界観が構築されているのは間違いなく、総じて素直に美味しく飲めるのは確かなので(このあたりはさすがペルティマーリ)、ヴィンテージ特性の理解と価格面の問題さえクリアできれば、そう悪い選択肢ではないと思います。
(2008/01)