- Good Quality -
近年はマレンマで新たなプロジェクトを始めるなど、時代に合わせた動きを活発化させている印象もあるサセッティ家ですが、やはり本命はこの「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」にあると言えます。
2004年という優良なヴィンテージの恩恵を受け、充実した要素を兼ね備えていますが、相対的にはサンジョヴェーゼらしい酸が豊かなこともあり、果実味はやや奥まった印象があります。絶対量としては豊かな果実味を誇るようにも感じますが、酸の方がより強く、さらには開放感あるようなスタイルではなくどこか上限が決められたかのようなある種の閉塞感が漂うので、全体像としてはやや陰な性質が強くなっています。ただし、これらは決してネガティブなものではなく、あくまでもひとつの指針を示しているに過ぎず、抜栓日から翌日にかけての質実さの向上や訴求力の上昇を鑑みると、今後の熟成によって更に良くなりそうな印象があります。現時点でも仄かに熟成感が出始めていますが、それでも内に込められたエネルギーは頑に守り続けてくれそうなので、今飲んでも、将来においても、安定して良質な世界観を披露してくれそうです。
(2013/02)