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サンジョヴェーゼで造られる驚異のワイン「ペルカルロ」で有名な、サン・ジュスト・ア・レンテンナーノの「キャンティ・クラッシコ」です。
レンテンナーノのキャンティ・クラッシコは、ラインアップの中ではローエンドに位置するだけあって、全体的に地味で量産型的というか、凡庸産地的なフラットさが気になる傾向にありますが、今回の2004年は思いのほか質実さが感じられ、近年飲んだヴィンテージの中では最も評価できる内容だと言えます。
抜栓日の印象だと、若いだけに全体的な収斂性がやや気になり、例年通りのサラッとした表層とシンプルな構成具合から過小評価しがちな傾向にありましたが、翌日に持ち越すことで表情が一変。サラッとしてはいるものの、サンジョヴェーゼらしい堅牢感ある体躯に張りが感じられ、何より今までになかった「微笑みが感じられる優しく甘い果実味」が最前面に打ち出されていたので、文句なく素直に「美味しい」と思える程の変容具合でした。
キャンティ・クラッシコをフラッグシップにする一流生産者とはスタイルがやや異なり、「現代的手法を用いて古典的スタイルに洗練さを加えた」といった指向性を感じますが、もし今後も2k円帯にとどまってくれるのであれば、フォントディのキャンティ・クラッシコと同様にかなりお薦めできるアイテムだと言えます。ヴェロネッリの評価をみると、次の2005年も2004年と同じ「88点」になっているので、一般的なヴィンテージ評価はあまり気にしなくても良いかもしれません(2005年の方が若干難しい作柄だったと言われている)。
(2007/12)