- Recommended -
ブレンドワイン「レ・オー・ド・ミレジ」には優れた区画の葡萄が使用され、そのセパージュはシラー70%、グルナッシュ25%、カリニャン5%となっています。シラーは樹齢27年で33hl/ha、グルナッシュは樹齢40年で40hl/ha、カリニャンは樹齢47年で35hl/ha。年間生産本数は12,891本。概ね「ステシアの上位版」といったポジションで、メインとなるシラーがより高樹齢なものに置換されています。
海苔、牡蠣的貝殻など、やや個性的な香りに特徴があり、ヴィンテージの影響か、南仏的なシラーによるスパイシーさや凝縮度よりも、全体的な纏まり感やクリアでスッキリした流麗感が印象的で、その滑らかな質感に加わる旨味(自然派的)を素直に楽しむことができます。濃厚系と滋味系の折衷的スタイルだとも言えるので、わかりやすい南仏的なパワー系を好む人よりは、よりたおやかな表情を好む人の方が高い満足感を得られるかもしれません。
ステシアと同様、抜栓日の方が良質な印象を受ける傾向にありますが、さすがに上のレンジだけあって、翌日以降であっても極端に落ちることはありません。なだらかに着地点を求めてくれるので、数日かけてじっくり飲んでもなんら問題はないと思います。
クレ・リカールの中ではやや高価な価格帯に位置していますが、それでも千円台で買えてしまうという有り難い存在なので、同じブレンドワインである「アレクゾーム」や「ステシア」からのステップアップや、比較対象としての飲み比べなど、クレ・リカールの世界観を広げるスタンスで挑めばより楽しめると思います。
(2007/12)