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ブレンドワイン「アレクゾーム」のセパージュは、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、シラー10%、カリニャン10%で、メルローは樹齢22年と19年で65hl/ha、カベルネは樹齢7年で53hl/ha、シラーは樹齢19年と9年で42hl/ha、カリニャンは樹齢47年で35hl/haとなっています。年間生産本数は32,445本。
まだ若いので、ヌーヴォー的な溌剌とした出で立ちと、ギュっと絞り込まれた誠実な果実のピュアさが印象的ですが、その表情とは裏腹に、決して早飲み系のお手軽ワインではなく、時間を与えてじっくり腰を据えることで本質が露になる「質実ポテンシャル系ワイン」だと言えます。
果実の野いちご的な心地よさの裏側に、かなりの量のタンニンがどっしりと鎮座しているので、結果的にやや苦さが先行する傾向にあります。しかし、翌日、翌々日と持ち越すことで確実に表情が変化し、抜栓日にみられた表情はあくまでも断片的なものだったことがわかるので、今飲むのであれば早まらずに2~4日程度は猶予を与えて欲しいところです。グラスの中での安定感や、広がりや伸びのある余韻という面においてはやや物足りない部分もありますが、コアの集中力と球体的求心力を程よく発揮してくれるおかげで、このワインの素性の良さがひしひしと伝わります。
「幅広く誰が飲んでも素直に美味しい」というわかりやすいタイプのワインではないかもしれませんが、この価格帯で質実さと整った密度感を感じれるワインはそれほど多くないと思うので、未体験の場合は1度飲んでみることをお勧めします。
(2006/08)