- Very Good Quality -
「カステッロ・ディ・ブローリオ」や「カザルフェッロ」など、優れたサンジョヴェーゼベースのワインを造り出すバローネ・リカーゾリの「キャンティ・クラッシコ リゼルヴァ」です。
猛暑だった2003年ということで、当初は「サンジョヴェーゼらしい威厳ある立ち振る舞いが崩れてしまっているのでは!?」という懸念があったのですが、実際には最初の一口で「余計な心配は無用」だということがつぶさに伝わりました。
ややスレンダーな体躯に硬質かつ強固で揺るぎを見せないその姿が、サンジョヴェーゼの持つ心願を表したようであり、この「何事にも動じず我が道を行く」といった容姿はまさに「ロッカ・グイッチャルダ」だと言えます。
クオリティ最重視の「カステッロ・ディ・ブローリオ」とは指向性が異なり、真のキャンティ・クラッシコ(リゼルヴァ)たる姿を追い求めるような「ロッカ・グイッチャルダ節(結構マニア向け!?)」は健在で、この剛直さをいかにして享受し楽しむかが最大のポイントになってきますが、実際には2003年らしい豊満な果実の力が加わっているので、抜栓日であれば果実の魅力を生かした形で素直に楽しめると思います。
翌日になると本来の厳めしい姿との力関係が逆転する傾向にありましたが、その後4日目程度まで持ち越すと、両要素がうまくバランスし美しく昇華した「陽と陰の魅力」が発揮されていたので、今後の熟成による成長具合がうまく噛み合えば、最終的にはかなり美味しく美麗なワインになると思います。
リカーゾリのラインアップの中ではあまり目立たない部類に入りますが、このご時世にほとんど値上がりしていないことを考えると、コストパフォーマンスはかなり高いと言えるので、ある意味「変に注目度が上がって欲しくない狙い目アイテム」だと言えるかもしれません。
(2007/10)