- Good Quality -
クエルチャベッラの歴史上、葡萄栽培を初めて「30年記念」となる2004年の「キャンティ・クラッシコ」です。
最初の一口目から過不足なくエネルギーが伝わってくるので、ある意味において「わかりやすいスタイル」だと言えます。ややアタック重視で表層に力点が置かれているあたり、パラフレーノと同質の指向性が感じられますが、2003年のキャンティ・クラッシコに見られた「解像力不足」や「世界観の欠落」といった落ち度がなく、全体を通して「現代的な果実味」「サンジョヴェーゼらしい酸」「バニラ的樽風味」がしっかり込められているので、結果として素直に美味しさが伝わる安定した酒質が構築されていると言えます。
奥ゆかしさや真なるポテンシャルを感じるスタイルではなく、微笑む表情にもどこか固さとぎこちなさが感じられますが、ともかく「安定して美味しく飲める」という良点があるので、日々飲むワインとしては十分活躍してくれそうです(そういう意味では価格が唯一のネックかも?)。
(2007/05)