- Good Quality -
2000年がファーストヴィンテージとなる「パラフレーノ」。セパージュはメルロー55%、サンジョヴェーゼ45%。ステンレスタンクで発酵後、品種ごとにフレンチバリック(60%新樽、40%1年樽)で12ヶ月間熟成されます。
最近あまり見かけなくなった「ちょっとビターな樽風味」が感じられ、全体を通していかにもバリック的な仕立て感が漂いますが、メルローらしいふくよかで口当たりの良い指向性が「素直な美味しさ」を構築しているので、最初の一口から有無を言わさず「美味しい」と言える内容になっています。
どことなく90年代中~後半の時流が脳裏を過りますが、造りの良さと誰にでもわかる美味しさをうまく両立しているあたり、さすがはクエルチャベッラといったところです。しかし、全般的に見てややメルローの柔らかい質感が前面に出過ぎているので、結果として骨格の支えとなるべきサンジョヴェーゼの力量がやや不足しているように感じます。
表層的には素直に美味しいものの、コアにあるべき威厳や意志に明確な力が感じられないので(良質だがメリハリ不足)、アタックが重要要素となりやすいテイスティングでは受けが良いかもしれませんが、じっくりゆっくり向き合うような飲み方にはあまり向いていないかもしれません。抜栓後3日経過したときの「原点回帰的な資質の再浮上力」を考慮すると、氏素性そのものはかなり評価できそうなので、現時点では「まだ2ヴィンテージ目(試行錯誤の段階?)」だということを考慮し、今後の発展と昇華に期待したいところです。
(2007/05)