- Good Quality -
猛暑に見舞われた2003年らしい熟した甘みは感じられますが、フォントディのキャンティ・クラッシコと同様に思いのほかバランスが整っているので、難しいヴィンテージではありますが大きな破綻はみられません。しかし、全体的に受ける印象はフォントディのキャンティ・クラッシコと同質で、かつ同じ種類の問題を抱えているようにも感じます。
基本的には美味しく飲めますが、構造が弱く解像力が不足している傾向にあるので、高品質なキャンティ・クラッシコにみられるような「独自の世界観」が欠けているように感じます。さらに、温度が上がると緩さが増し、徐々に完熟系の甘みが気になりだすので、価格に対するポテンシャルという意味ではやや不満が残ります。
とはいえ、これがもしワインランク下の価格帯に位置するIGTワインであれば、ある意味「そういうスタイル」として評価できそうなので、飲み手の判断と切り口によって多様な意見が出てきそうな気もします。
ちなみにこのワインは、ワイナート31で2003年ヴィンテージのキャンティ・クラッシコの中でトップの評価を獲得しています。
(2006/01)