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同じヴィンテージで、同じラ・モッラのクリュ・バローロとなるコリーノの「ジャキーニ」「ロンカーリエ」と比較すると、造り手による手綱さばきのうまさがより印象的で、ヴィンテージの力や方向性、クリュの資質、スタイル(モダンorトラディショナル)といったさまざまな要素が、定められた範囲内でうまくバランスするようしっかり導けているように感じます。このあたりの力量は、「さすがフラテッリ・レヴェッロ」といったところでしょうか。
抜栓直後から漂う香りに、墨汁、アルコール、鉱石系などが感じられ、ふとタンニン系の「堅物」や「職人気質」的なスタイルが頭をよぎりますが、実際には洗練されたスタイルながらも「古き良きバローロ」の余韻が感じられる佇まいがあり、何よりコアにしっかりと生きた果実味が存在するので、想像以上に美味しく飲めて素直に楽しめます。
タンニンは豊富ですが、暴れることなくタイトな硬質系のボックスにしっかり納められているのに加え(基本的に各要素は整列し各々で強く結束している)、30分程度で柔らかさが出始めて果実の力も相まってくるので、現代的なスタイルが好きな人も、気品が感じられるたおやかなバローロが好きな人も、総じて快く受け入れられるスタイルだと思います。
(2007/02)