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スタンダードバローロと同じ資質を持った「高アルコールベースのボディ」が印象的で、解像力を半歩、凝縮度と集中度を一歩弱、芳香性を一歩程高めたようなスタイルになっています(ある意味、価格差に等しいポテンシャル差かも!?)。
抜栓直後から高い芳香性を発揮してくれますが、表情はいたって強固な傾向にあり、アルコールの高さから来る「酒精強化系風味」が仄かに漂っているので、正直なところ一般向けのワインではないと言えます。ある程度の熟成を経ているので、角に丸みがあるハイトーンな甘さも感じられますが、フレッシュさはなく、わかりやすい果実味も感じられないので、どうしてもストイックさだけが先行する印象を受けます。
スタンダードバローロよりも一歩突き詰めた表情は素直に評価できますが、兼ね備えたエネルギー配分にやや難があり、アタックの集中度に反してミッドにやや緩みやフラットさを感じます。とはいえ、全体を大きく捉えると、思いのほかバランスのズレが気にならず、強固な結束力に裏打ちされたそつのない仕上がりがたおやかなゆとりを与えてくれるので、一定のスタイルを指し示すリファレンスとして、「意外に有益なアイテムとなってくれるのではないか」とも感じます。
(2007/01)