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他のコリーノの1999年バローロと同じで、やはりスタイルは「高アルコールベースのボディ」となっています。ただ、北端に近い場所にあるロンカーリエとの差なのか、高アルコール故のブレのなさを堅持しながらも突き抜けるほどトロっと甘く、どことなくバニュルス系の風味も仄かに感じられます。唯一奥底にチラッと果実味が垣間みれますが、やはり凝縮高アルコールのボディにロンカーリエの比ではない高糖度が鎮座しているので、正直「勿体ない」というのが本音です。
同ヴィンテージの他のコリーノのバローロと比較すると、最も凝縮感があり、表情も豊かで解像力も高めですが、なにしろ「甘ったるい」と感じるギリギリのラインまで詰められているので、「これはバローロでいいのだろうか?」「あまりにも方向性が安易すぎないか?」という疑問が頭をよぎります。現状ではややイレギュラーなスタイルなので、一般的にバローロが好きな人であれば、今飲まずにもう暫くの間寝かせておいた方がベターかもしれません。
翌日に持ち越すと、さすがに「凝縮しているだけのワインではない」という本来の資質が垣間みれますが(当然ながら純粋なポテンシャルはしっかり保有している)、やはり基本スタイルは「高アルコール」「高糖度」「相対的に酸不足」なので、表層のモダンさとコアのストイックさからくる謎の位相が加わることもあり、下手に深入りし過ぎると訳が分からなくなります。あまり納得はいかないものの、素直に美味しく飲めることは間違いのない事実なので(かなりサービスが難しそう)、コリーノのスタイルを理解し、それでいてベタに凝縮甘系ワインが好きな人にはお薦めできると思います。
(2007/01)