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これまでのヴィンテージと比較すると、様々な要素が満遍なく揃っている印象を受けます。それぞれの要素に力があり、かつバランスよく整っているので、今飲んで素直にポテンシャルを享受できる良質なスタイルだと言えます。雰囲気的には1999年の堅牢感と2000年の豊満さ併せ持った印象があり、がっしりした体躯と熟した果実の要素がワンパッケージ化されたようでもあります。
全体的には概ね良好ですが、サンジョヴェーゼらしくないトーンを持った果実の完熟感と、堅牢感がある割には集中力と訴求力に欠けているのがやや不可解で、エッジにかけての突然の丸みもやや気になります。しっかり評価できる内容なのに、なぜかアマらしい世界観や精緻さからくる迫力を感じられないのが残念ですが、なんとなくボトルコンディションによる影響のような気もするので(所謂ハズレボトル!?)、今回の1本だけで全てを判断するのは間違いかもしれません。
「一部の単一クリュ廃止」&「ノーマル・キャンティ・クラッシコの質向上」という指向性の変化以来、ヴィンテージごとに著しくスタイルが変わっている傾向にありますが、2001年に関しては今後の「礎」となりそうな資質を根底に感じます。続く2002年、2003年ともに両極で困難なヴィンテージだったと言えるので、まだまだ「真アマスタイル」の完成&定着には時間がかかりそうですが、今後も末永く見守っていきたいと感じる魅力あるキャンティ・クラッシコだと言えます。
ちなみにこのワインは、2005年度のガンベロ・ロッソで最高評価となるトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2006/10)