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カステッロ・ディ・アマが造る単一クリュ「ベッラヴィスタ」の畑は、広さが12.58ha、標高が480m~526mの南西向きで、使用されるサンジョヴェーゼは1964年と1975年に植樹されています。
アマはベッラヴィスタに続き、1982年にサン・ロレンツォ、1985年にラ・カズッチャ、1988年にベルティンガと、立て続けにクリュ・キャンティを世に送り出しますが、ノーマルのキャンティ・クラッシコそのもののクオリティを向上させるために、優位性が見られなくなったサン・ロレンツォとベルティンガの生産を打ち切り、1997年ヴィンテージより新たな道を歩みだしています。
思いのほかしっとりと熟成が進んだ印象があり、コンパクトながらもサンジョヴェーゼらしい精緻さが楽しめる良質な世界観が打ち出されています。1995年と言えば職人気質的な固さが思い浮かびますが、そんな固さはすっかり解け、余生を心地よく過ごすような落ち着きと親近感が伝わるので、深く考える必要のないわかりやすいスタイルとなっています(早飲み系の人はやや物足りなく感じるかも?)。
以前試飲した1993年はやや弱めのヴィンテージで(と言っても悪い年ではない)、近年のベッラヴィスタとは比較にならない程の手軽な価格帯だったのが印象的でしたが、1995年はその後連続して続く良質なヴィンテージの始まりとも言える年で、市場価格もやはり高価なものとなっています。純粋なコストパフォーマンスを考えると積極的にお薦めしにくいのですが(同価格帯の近年のヴィンテージの方が明らかにお薦め)、このヴィンテージに何らかの思い入れがある人や、綺麗に熟成したサンジョヴェーゼを飲んでみたい人にとっては選択肢のひとつになりうると思います。
(2006/03)