- Good Quality -
モンフォルテ・ダルバにあるガヴァリーニのクリュから造られるバローロです。ジネストラから造られる「ヴィーニャ・カーサ・マテ」と比較すると、一般的にはこちらの「ヴィーニャ・キニエラ」の方が高い評価を得ています。
抜栓直後はやや焦げた樽風味が強く、全体像がハッキリと見えない印象となっていました。指向性やボリューム感はカーサ・マテとそれほど大きな違いはありませんが、果実味、タンニン、酸、これらの密度と凝縮度はキニエラの方が一枚上手となっています。全体的にはバローロとしての精緻さや格調を楽しむタイプなので、基本的にはバローロを飲みなれている人の方がより楽しめると思います。
フォンタナフレッダが造るヴィーニャ・ラッツァリートのような「まだ飲むには早い若さ」とは異なり、今でも十分楽しめるだけの魅力はありますが、それでも若さからくる鋭角なタンニンや立ち上るアルコール、そしてたっぷりの酸味(上質なので嫌みはない)が全体をしっかり支配しているので、ある程度のポテンシャルは認められるものの、今飲んでも価格帯に見合うだけの満足感は得られにくくなっています。
世の中の評価は高いのですが、個人的な印象はあくまでも「良質なバローロ」という範疇に収まるものでした。ポテンシャルを考えるとカーサ・マテよりお薦めできますが、なにぶん価格の問題があるのであまり一般向けだとは言えません。
ちなみにこのワインは、2003年度版のガンベロ・ロッソで最高評価となるトレ・ビッキエーリを獲得しています(1998年~2000年まで連続して獲得中)。
(2006/01)