- Good Quality -
モンフォルテ・ダルバにあるジネストラのクリュから造られるバローロですが、クレリコが同じジネストラから造る「チャボット・メンティン・ジネストラ」とは大きくスタイルが異なります。
体躯におけるほぼすべてのレンジがニュートラル、かつフラットで、ややあっけらかんとした印象があります。迫力やボリュームといった要素とは無縁なスタイルなので、そのクリアな硬質感をどうとらえるかで評価が分かれそうです。
印象としてはバローロというよりバルバレスコ的で、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコのノーマルバルバレスコに近いスタイルを感じます。どことなく同じ1999年ヴィンテージのキャンティ・クラッシコ(アマなど)に通じる質感もあるので、表層だけを見て評価を下してしまうと、ポテンシャルを存分に引き出せずに終わってしまう可能性もあります。
現代的な指向性は持ち合わせておらず、偉大なクリュ・バローロを彷彿とさせるような緻密さもありませんが(クオリティは村名クラス)、特別ネガティブな要素を持っているわけではないので、その初志貫徹的なスタイルを飲み手が享受しきった場合、最終的に得られる満足度は意外と高いような気もします。やや価格が高い傾向にあるので万人向けではありませんが、最近よくみかけるスタイルのバローロとはひと味違った資質が楽しめるので、懐に余裕があるようであれば飲んでみてはどうでしょうか。
ちなみにこのワインは、2004年度版のガンベロ・ロッソで2グラスとなるドゥエ・ビッキエーリを獲得しています。
(2006/01)