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ドメニコ・クレリコの創業は1977年、そしてファースト・ヴィンテージとなる1979年から生産されているのがこの「チャボット・メンティン・ジネストラ」です。畑はモンフォルテ・ダルバにあるクリュの「ジネストラ」に位置し、標高400m、南~南東向きとなっています。
ドメニコ・クレリコが造るバローロは、他にも1990年がファースト・ヴィンテージとなる「パヤーナ(畑はジネストラ)」、1995年がファースト・ヴィンテージとなる「ペルクリスティーナ(畑はモスコーニ)」がありますが、性格は前者が「果実味が豊富」、後者が「パワフル」となっているようです。モンフォルテ・ダルバの特徴とクレリコという造り手を考えた場合、まずは最初に「繊細さが特徴」と言われるチャボット・メンティン・ジネストラから入った方が良いかもしれません。
最初の一口目で驚かされたのが、角が丸く今飲んで普通に美味しいことでした。直前に試飲したカロブリックとはまったく異なる指向性だったので、抜栓直後から素直に楽しめるというのは何か不思議な気持ちになります(バローロに対するイメージの問題かもしれませんが…)。
初日はとにかく果実が前面に打ち出されていたので、思い描く「モダン・バローロ像」にピッタリ当てはまります。しかし、角の丸さがやや緩みを生み出す結果に繋がっていたので、やや抜けの悪い印象を受けてしまいます。しかし、翌日に持ち越すことで果実味が一歩後退し、奥に潜んでいたアルコール感や酸味が表に出始めます。抜栓日と位相が180度異なり、今度は硬質でクールな表情が打ち出されますが、タンニンはそれほど多いわけではなく、イガミなどの不純感は皆無なので(ロータリー・ファーメンターを最大限に活用した結果?)、厳格さなどが特に感じられず安心して飲むことができます。
ちなみにワイナートの21号では、今回の1998年ヴィンテージが76本のバローロの中で堂々の1位を獲得しています。
(2006/01)