- Very Good Quality -
ドメニコ・クレリコの創業は1977年、そしてファースト・ヴィンテージとなる1990年から生産されているのがこの「パヤーナ」です。モンフォルテ・ダルバにあるクリュの「ジネストラ」に位置していますが、その中でもパヤーナの集落側にある区画の葡萄が使われています。
想像を超えて非常にタニックかつパワフルなのが印象的で、10年程度の熟成ではまだまだその真価が見られることはないかもしれません。まさに「ザ・タンニン」とでもいうべきこの世界観は、そのままテロワールの指向性が色濃く現れているとも言え、モンフォルテ・ダルバというよりはセッラルンガ・ダルバらしいスタイルとなっています。まさに、クレリコらしいモダンな果実の熟度と、強固で圧倒的な軋み伴うタンニンによる二大要素の競演といったところかもしれません(バランス系のチャボット・メンティン・ジネストラとの違いが興味深い)。
翌日以降に持ち越すことで多少は近づきやすくなりますが、それでも膨大なタンニンは健在なので、このポテンシャル要素を鑑みるとまだ5〜10年程度は熟成させたいところでもあります。ただ、その頃まで待ったとしても、恐らくタンニンが熟れるだけで、全体的なバランスについては依然不透明な印象でもあります。かなり際立ったスタイルなので、飲み手の嗜好を選ぶ傾向にはありますが、少なくとも、総エネルギー量については圧倒的な水準になることは間違いありません。
(2015/12)