- Good Quality -
1998年にアレハンドロ・フェルナンデスに購入された「デエサ・ラ・グランハ」です。
アレハンドロの系譜が理解できるスタイルで、他のアレハンドロワインと同じような仕立具合や世界観となっています。アレハンドロの血筋を受け継いでいる反面、テロワールよりも造り手の意志の方が強く反映されていると言えるのかもしれません。醸造面の違いとしては、アメリカンオークでの熟成期間が2年という部分があげられます。
直前に試飲したエル・ビンクロやコンダード・デ・アサよりも古いヴィンテージなだけあって、全体が丸く纏まり、一歩進み熟れた印象があります。しかし苦みのあるタンニンが残っているので、バランス的にはやや乱れが生じています。アタックの印象や、表層的には好印象な傾向にあるのですが、コアそのもののフラットさや構造の支え不足によって、時間をかけて向き合うほどに良点が収束していく問題があります。
やや気になる部分があるのも事実ですが、価格帯に見合った資質を発揮しているのは確かであり、数年の熟成によってまた別の魅力が表れることもまた理解できるので、全体的に捉えれば概ね良好な評価が得られるワインだと思います。
(2005/10)