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最初の単一クリュ・キャンティと言えば、1982年にアマが「ヴィニェート・ベッラヴィスタ」を、1983年にフェルシナが「ランチャ」を、そして1985年にフォントディが「ヴィーニャ・デル・ソルボ」を造ったことがあげられます。これらはその後の「クリュ指向」という流れを作ったワイン達であり、まさに「単一畑によるキャンティ・クラッシコの礎」を築いたワイン達だとも言えます。ちなみに1999年のヴィーニャ・デル・ソルボは、サンジョヴェーゼ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%というセパージュで造られます。
賛否両論となるリゼルヴァではありますが、抜栓直後はキツイ樽要素が先行しビター要素に覆われているものの、時間の経過と温度の上昇により、余分な風味が削ぎ落とされ一体感のある世界観が構築されていきます。
当初は強い樽風味、少し身の軽さを感じる冷ややかなボディ、そしてサンジョヴェーゼらしい酸味が基調となっていましたが、10〜20分程度で苦々さが薄れて徐々に纏まり感が出てきます。抜栓日は繊細な体躯が気になりましたが、翌日に持ち越すとしっかり熟した果実味と樽風味が一体になり、互いの要素を補完し合うような魅力ある姿となっていました。
しっかり開けば素直に楽しめるだけの表情を見せてくれますが、全体的なバランスや各要素の組み合わせには、少し変わった指向性と個性をもっています。少し方向性そのものが単調な気もしますが、底辺にフォントディらしい堅牢感が存在するので満足度は高いと思います。
(2004/10)