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シャトー・ムートンのように、毎年異なる画家によってラベルが描かれるルーウィン・エステートの「アート・シリーズ」です。今回試飲した1999年のラベルは、David Larwillが描く「Make it a Clean Fight」となっています。
1999年は涼しく乾燥した年でしたが、季節外れの熱波によって最終的には葡萄が完全に熟したようです。その結果、全体的な評価としては傑出したヴィンテージと判断されています。ちなみにセパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン86%、プティ・ヴェルド11%、マルベック3%となっています。
少し閉じ気味な傾向にありますが、強固で存在感の強いタンニンが全体を引き締めているので、1997年とは異なり長熟の可能性を感じるスタイルとなっています。広がりはそれ程ないものの、堅牢性が高く職人気質を彷彿とさせる威厳のある造りだと言えるでしょう。
決して飲めないような類いのものではありませんが、それでも果実味全体を痺れるようなタンニンが覆い尽くしているので、現状ではしっかり時間を与えてやらないと柔和な表情はなかなか見せてくれません。兼ね備えたポテンシャルの深淵を探るのは少し難しいかもしれませんが、翌日に持ち越すぐらいのゆとりで飲めば十分楽しむことができるので、おそらく価格相応の満足感は得られると思います。
群を抜く程の力は感じませんが、1~2年程寝かせるとタンニンが熟れてくると思うので、保管状況に余裕があれば待ってみても面白いと思います。
(2004/08)