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1999年と比べると、若干根本的な構造維持力(底を支えるボディとタンニン)が小振りな印象を受けますが、そのかわり果実がまろやかに溢れてくるので、今まさに美味しく飲めてしまいます。抜栓時は1日経過後の1999年との対比もあって若さが目立ちましたが、その後デキャンタに移して徐々に様子を伺ったので、あっという間に開いて魅力を全面にアピールしてくれる結果となりました。翌日に持ち越すと総合的な力不足が気になり出しますが、優しく仄かに甘いスタイルは健在だったので、十分満足感を得ることができます。
個人的な印象としては、「とにかく力強い1997年」「力の中に華を見せ始めた1998年」「高次元でのバランスを見いだす1999年」「若さの中の魅力が光る2000年」と言った感じでしょうか。出荷後から試飲までの時期にバラツキがあるので先の感想も流動的ではありますが、この価格帯でヴィンテージごとの違いや造り手の思想をしっかり伺えることを考えると、このカテゴリー自体のポテンシャルは相当高いと言えるのではないでしょうか(既に味がどうとかの問題ではない)。ヴィンテージに限らず今後も総じてお薦めできそうです。
(2002/11)