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通常はサンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローのブレンドで造られますが、VT99はサンジョヴェーゼ100%で造られています。再びこのヴィンテージで合成コルクが廃止され、さらにはガンベロ・ロッソで2グラスを獲得していることを考えると、サンジョヴェーゼによる単一品種を選択したのは好転的な方向性によるものだと推測できます(一般的にイタリアの1999年は当たり年といわれている)。
抜栓直後の香りからして驚かされるのですが、既に1998年とは完全に異なるスタイルになっており、実際の味は酸味を主体としたスマートなキャンティといった印象です。果実味で化粧を施し、一般受けしそうな方向性を垣間見せた1998年と比較すると、同じワインと思えないほど内容が異なっていたので正直かなり驚きました。確かに現状ではまだ若く青臭い面が強いので、今すぐ飲んでもすべての良さを引き出すのは難しいかもしれません(翌日まで持ち越すなら大丈夫かも)。しかし、サンジョヴェーゼ(バディオラ、フォンテルートリ区画)の出来の良さをしっかりと舌で感じることができるので、個人的には現状でも十分お薦めできると思います。できれば1997年、1998年、1999年、2000年と、ヴァーティカルで飲むことができればより一層楽しめると思います。
このクラスのワインでこれだけ勝負できるのならば、1999年のマッツェイは要チェックと言えるかもしれません。
(2002/03)