- Good Quality -
ムートンが造る少量生産のセカンドラベル「プティ・ムートン」です。ムートンのセカンドというと少量生産ゆえの高価格という側面があり、以前から品質と価格のバランスが整っていないという声を程よく聞きます。そして、それに加えて今回飲んだ1997年というヴィンテージを考えると、正直あまり期待はできないのでは?といった印象がありました。確かに抜栓直後は直線的でまだまだタンニンが安直すぎるといった感じでしたが、ゆっくり時間を与えてやれば徐々に魅力的な側面が表立ってきます。特に香りが特徴的で、かなり際立ったバニラ香がします。このあたりと葡萄自体の本質とのギャップがこのワインを良くも悪くもしている部分で、良く言えば「ムートンの資質を垣間見せる魅力あるスタイル」、悪く言えば「必要以上に厚化粧」といったところでしょうか。個人的には味そのものよりも、それ自身が放つ全体としての雰囲気が凄く気に入りました。
1998年はパーカーも高い評価をしているようなので、今後のプティ・ムートンに期待と言ったところでしょう。
(2001/11)