- Good Quality -
日本で唯一の車で走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」から直線距離で200mという特殊な立地に畑がある、羽咋市を代表する新たな葡萄栽培農園が「イタヤファーム」。海沿いという特殊な環境下にあるテロワールを生かす海辺のワイナリーとして、今後の発展が大いに期待されます。
セパージュは羽咋市にある自社畑で栽培されたマスカット・ベーリーA100%。収穫日は2023年9月17日。除梗後、一粒一粒手作業で丁寧に選果を行い、約10日間の醸し発酵後に圧搾。その後オーク樽で約6ヶ月間熟成。ファースト・ヴィンテージとなるこの2023年は、富山県のセイズファームで委託醸造されています。アルコール度数は12%で生産本数は僅か588本のみ。
しっかりとした濃い色調で、一般的なベーリーAに見られるようなキャンディ的な軽快さは一切なく、やや野生味のある酸を主軸とした、梅紫蘇ジュース的な甘酸っぱさが印象的なスタイルになっています。構成要素はシンプルながらも、後味にはやや塩気を感じるような硬質感があり、落ち着いた佇まいと滑らかで丁寧な仕事を感じる方向性は海のルージュと同質ではあります。とは言え、複数品種のブレンドによる妙が功を奏していた海のルージュと比較すると、相対的には単一品種によるシンプルな構成要素で構築された世界観になっていることもあり、やや陰寄りで酸主体の表情をどう捉えるかによって多少評価が分かれるかもしれません(品種の個性よりもイタヤファーム固有の世界観の方がより前面に出ている)。
(2025/02)