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ルイ・ジャドは数々の偉大な畑を自社で所有していますが、実際にはその所有形態によって複数の名義を使い分けています。ジャドの自社畑のうち、ジャド家が代々継承してきた由緒ある畑から造られたワインについては、「ドメーヌ・デ・エリティエ・ルイ・ジャド」の名前でリリースされています。
コルトン・シャルルマーニュの畑はアロース・コルトンとペルナン・ヴェルジュレスにまたがるように位置していますが、ジャドのコルトン・シャルルマーニュはアロース・コルトン側にある「レ・プジェ」の区画から造られています。ジャドのクラシックアイテムとして重要なワインでもあり、名実ともに非常に高い評価を受ける偉大なワインでもあります。
2014年のコルトン・シャルルマーニュは、2015年の5月にドメーヌを訪問し樽から直接試飲をしていますが、10年に及ぶ長期熟成を経たことでその時の印象とは大きく異なっています。当時は圧倒的なエネルギーを放ちつつも、リンゴを感じるフレッシュさや甘み(アペラシオンに関係なく白は80%をMLF)、そして樽由来のバニラ感などが印象的でしたが、現在では各要素が程よく打ち解け合う一体感ある表情を形成しつつも、それでも全体像としてはまだまだ若々しさを感じる非常に良好な状態となっています(まだまだ10年以上の熟成が可能な印象)。
色調はややグリーンがかったイエロー。全体としては落ち着きのあるしっとりとした纏まり感のある表情で、10年に及ぶ熟成の効果は適度に感じられますが、それでも古酒的な要素は一切感じられません。2012年を試飲した時のような太陽を感じる豊かさとは異なり、果実感としては黄色から橙系寄りで、程よくヒリつく辛味(アルコールは13.5%)と豊富な酸が感じられることもあってか、素直な美味しさとポテンシャル系の要素が半々といった傾向にあり、終始そのバランスの良さが印象的です。表層的にはスッキリとしているものの、内包するコアには太陽の恵みを受けるレ・プジェらしいボリューム感に、オイリーな資質やバター、そして木の実のニュアンスなど、コルトン・シャルルマーニュらしい要素も随所に感じられるので、今まさに心地よく飲める現実的かつ良質なグラン・クリュといったところかもしれません。
(2024/03)