- Good Quality -
トレンティーノ・アルト・アディジェではトップクラスの造り手となる「テヌータ・サン・レオナルド」のフラッグシップワイン。17世紀後半から畑を管理し続ける「グエリエリ・ゴンザーガ公爵家」の家系が今もなおワイナリーの運営を続けています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン60%、カルメネール30%、メルロ-10%。樹齢は20〜50年。2013年の生産量は58,800本。
冷涼な産地を彷彿させるようなスッキリとした涼やかな表情で構成され、グリーン系のハーブが心地よく広がる軽やかでエレガントなスタイルとなっています。全体像としては以前試飲した2000年ヴィンテージと同質で、一般的なカベルネ・ソーヴィニヨン像とは異なるある種の軽快さが非常に印象的ですが、それでもボディ内部の緻密さは一段向上している印象を受けます(どちらかというとフランっぽい表情)。やや青味を感じる傾向にあり、一昔前のチリのカルメネールにも似たユーカリのようなグリーン系のハーブ風味が主要素になっているものの、全体を包み込む清涼感と綺麗に伸びる酸、そしてボディの程よい緻密さによって、全体的なバランス感はそう悪くはない印象です(敢えてこういうスタイルで造っているという個性を感じる仕上がり)。
抜栓後数日経過する過程において、思ったよりも表情に変化が見られる傾向にあり、当初はやや強めに感じたハーブ感も、時間とともになだらかに落ち着く傾向にあります。逆に酸やコアの緻密さはより前に出る傾向にあり、爽やかな表情の中に優しく光る梅系の果実味は、意外な魅力として飲み手に伝わるかもしれません。決して難易度が高いわけではありませんが、それでもあまり一般層向けの分かりやすいスタイルではなく、あくまでもトレンティーノ近郊のワインやサン・レオナルドという造り手に対して、一定の造詣を有している層向けといった内容にはなるので多少の注意は必要かもしれません(各ワイン誌の高い点数評価だけを見て判断するのはやや危険)。
(2023/02)