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14ヴィンテージぶりとなる久しぶりのクロニョーロですが、バックヴィンテージということや、キャップシールを取り除くと少し吹いた後が見られたのでやや不安もありましたが、実際の中身に関しては特に問題はありませんでした。
セパージュはサンジョヴェーゼ90%にメルロ-10%。とは言え、一般的なサンジョヴェーゼ系ワインとは根本から異なる世界観で、以前試飲した2001年と同様でとにかくタニック。今回のロットは現状で7年経過していますが、それでもかなり苦味や渋みが際立つ傾向にあり、特に抜栓直後はボディがやや薄めなこともあってか、よりタンニンが目立ちます。それでも数十分程度で一体感が増すことや、基本的に凝縮感のある果実を生かしたリッチなモダンスタイルということもあってか、全体像としては意外と心地よい印象だったりもします。
当初は仄かにグリーンノートが感じられ、どことなくカベルネ・フランにも似た表情も感じられますが、それでも時間とともに甘味やビターチョコなどの風味が主要素となり、翌日に持ち越すとメルローらしい丸みのある表情へと推移していく傾向にあります。いずれにしても、所謂サンジョヴェーゼ的なタイトさや硬質感、ハイトーンな酸と言った厳格な表情とはかなり異なり、モダンなスーパータスカンらしい明快なスタイルなので、その魅力はストレートに伝わる傾向にあります(苦味が強いのでバランスには難があるが不思議と魅力的で好印象)。
(2022/07)