- Good Quality -
ガルナッチャ・ティントレラ(フランスではグルナッシュ、イタリアのサルデーニャではカンノナウと呼ばれる葡萄品種)を使用し、亜硫酸塩無添加(酸化防止剤不使用)で造られるキュヴェがこの「ライセス」。
濃密で甘いリッチな風味がアタックから広がり、ドライフルーツを感じる紫系の果実感など、温暖な地域で造られるワイン独特の濃い表情が主体となっていますが、それでもハイトーン系の酸や後味にかけてのドライに引き締まる収斂要素など、標高の高さを感じる冷涼感も同時に兼ね備えています。アルコールが高く(13.5%)、飲みごたえのあるパンチ力を有しているものの、ボディそのものはピノ系に近い薄さと軽快さなので、パワフルでありながらもサラリとした飲みやすさを持っているのが大きな特徴だとも言えます(まさにイメージするガルナッチャらしい素直なスタイル)。
基本的にカントスやアルシージャとも共通する世界観ではありますが、相対的にはこのライセスの方が明確にリッチでわかりやすいスタイルでもあるので、価格は若干高めではありますが、その分満足度も高くなる印象です。カテゴリーとしては、オーガニック認証を取得した自然派ワインだとも言えますが、実際の中身は現代的な基準でしっかりと造られたワインなので、素直に多くの人が満足できるというだけでなく、純粋なコストパフォーマンス自体もかなり高いと言えそうです。
(2022/05)