- Good Quality -
除梗と破砕を行い、酸素を多く含ませたプレス果汁(全体の75%)と、嫌気的な状態で行ったプレス果汁(全体の25%)を個別にステンレスタンクでアルコール発酵し、澱と共に6ヶ月間熟成を行なっています(MLFは行わず)。清澄は行なっていませんが、フィルターでの濾過は行いボトリング。白ワインながら、最適なサービス温度は16〜19度(最適温度18度)とかなり高めになります。
石を舐めているかのような強めの苦味が印象的で、スッキリとした清楚でクリーンな表層と、他の平川ワイナリーのアイテムと同様のリッチなボディが非常に良好なバランスで構築されています。全体的に白系のニュアンスが主体となり、ミネラルを感じる凛とした佇まいではありますが、ボリュームのある体躯内部に広がる果実味としては、グレープフルーツや八朔のような黄色系の指向性が感じられます。
翌日に持ち越すと苦味が一段穏やかになり、全体的に優しく丸みのある表情になりますが、親しみやすくなる反面、少し物腰も柔らかくなる傾向にはあります(ソリチュードのグランド・キュベと似た変化)。それでも基本的には安定した酒質を持ち、食事とともに楽しめる良質な構成となっているので、総じて高い満足感を得られる傾向にありそうです(同じフィルター有りのソリチュードのテール・ド・ヨイチと違って澱はほぼなし)。
(2022/03)