- Good Quality -
全房のまま嫌気的な状態でプレスを行い(搾汁率63%)、その後ステンレスタンクでアルコール発酵、さらにステンレス製の樽型タンクで澱と共に5ヶ月間熟成を行なっています(MLFは行わず)。補糖、補酸、除酸全てなし。清澄は行なっていませんが、フィルターでの濾過は行いボトリング。白ワインながら、最適なサービス温度は17〜21度(最適温度19度)とかなり高めになります。
非常に豊富な酸が基軸となっていますが、強い酸を明確に感じさせながらも、不思議と鋭さやシャープさのみが際立つことがない、不思議なバランス感覚となっています。他の平川ワイナリーのアイテムと比較するとやや大人しめで、突出した個性を発揮するようなタイプではなく、むしろ王道的なニュートラルな表情なのが印象的です。レモンやパインなどのシンプルな要素をアクセントに、充実したボディのボリュームで支える、いたってスタンダード的なスタイルの仕上がりになっています。
抜栓直後はやや強めの酸が先行する傾向にありますが、時間とともに少しずつ穏やかになる傾向にあり、翌日に持ち越すとボディそのものの充実感はそのままに、相対的に酸の方が落ち着くこともあって尻上がりに良くなる傾向にあります。特にボトルの最後の方になると、僅かな澱の影響でやや白濁してきますが、それが結果として風味や旨味の増加、そしてボディの豊かさに力を感じる一因となるので、最後の一杯に関しては非常に高い満足感と訴求力を発揮してくれます。
(2022/03)