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2014年がファースト・ヴィンテージとなる「ノースバーン」は、クロムウェルの北、ダンスタン湖の東側にある「ノースバーン・ヴィンヤード」から造られます。ダンスタン湖の西側にあるピサ・テラスとは異なり、午後からの日照量を多く得ることができるという特徴があります。
2016年の全房比率は40%で、熟成は新樽比率12%のフレンチ・オーク・バレルで15ヶ月間、生産本数は僅か5,390本(無清澄無濾過でボトリングは2017年8月4日)となっています。
ピサ・テラスと同様に、これまでのサトウ・ワインズのイメージとは一味異なる世界観になっていて、全体的にかなり穏やかで非常に落ち着いた現実的な佇まいとなっています。それでも大まかな傾向は例年通りで、相対的にピサ・テラスよりも低重心かつ充足感に優れ、コア部分の厚みや濃密さで勝負する力強さが印象的です。伝統産地的な指向性がやや強めのピサ・テラスとは異なり、ノースバーンはよりニューワールド的側面が色濃くなったなスタイルとも言えるかもしれません。
従来よりもエネルギー感が控えめで、ややシンプルに纏まっている傾向にはありますが、それでも小難しさがないので万人に対して素直に訴求する印象で、ピサ・テラスよりもインパクトが明確な分、より扱いやすい印象でもあります(純粋なクオリティはどちらのキュヴェも同じ水準)。
(2022/02)