- Very Good Quality -
少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。ブルナーテの区画の一部に0.38ha(現在は0.16haのみ?)だけ残っている、1940年に植樹された古木のネッビオーロから良年のみ1,000本程度造られています。以前は「ヴェッキア・ヴィーニャ・デッラ・ブルナーテ」としてリリースされていたキュヴェですが、現在では熟成期間を2年伸ばして「リゼルヴァ」としてリリースされています。
抜栓直後から一体感が高く、体躯全体に行き渡り包み込むような苦味に、通常のブルナーテよりも明確な表情と輝きを持った果実の魅力が印象的で、球体とまではいかないものの、角の取れた丸みのあるボディが明確な存在感を放っています。偉大なヴィンテージに見られるような圧倒的な存在感とは異なる世界観ではありますが、それでも2011年というやや控えめなヴィンテージが、結果としてブルナーテの持つ魅力をうまく引き出しているような印象でもあり、想像よりも良好な熟成変化を経たこともあってか、かなり浸透性の高い訴求力を持った非常に良質な表情を生み出しています。ブルナーテらしいエレガントかつ流麗な指向性が非常に明確に打ち出されている印象で、特に抜栓日の表情は傑出している傾向にあり、そこから放たれる魅力には抗い難く、偉大なワインのみが持つ高水準の要素を感じます。抜栓翌日に持ち越すとややオレンジ系の熟成感が出始め、リゼルヴァらしい苦味をアクセントにしたバローロ像が展開されるようになりますが、それでも総じて最後までポテンシャルは高く、ただただ納得するしかないクオリティだと言えます。
(2021/11)