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少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。以前はエリオ・アルターレにブルナーテの区画を貸していましたが、現在は契約終了に伴いマレンゴの元に戻っています。
ブリッコ・デッレ・ヴィオーレとは指向性が明確に異なる印象で、ブルナーテはより純粋に重厚なタンニンにスポットが当たった、多くの人が思い描くバローロ像に近いスタイルとなっています。ブリッコ・デッレ・ヴィオーレのような明快な果実の魅力は持ち合わせていませんが、より緻密で抜栓日から一体感があり、派手さはないもののその質実さがストレートに伝わってきます。抜栓日はやや陰な傾向にあり、厳格な表情がより強くなっていますが、翌日に持ち越すと一段階纏まりがよくなり、同時に当初はあまり感じられなかった柔らかく優しい果実の甘味が滲み出てきます。柔らかくエレガントな物腰でありながらも、非常に良質な質感を兼ね備えている傾向にあり、充実した重厚なタンニンを擁しながらも、決して重くはなっていないのが印象的です。
(2021/11)