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アフリカーンス語で「平和」という意味を持つ「フレダ」。畑は渓谷に位置した北向きの急斜面で、標高は低く温暖。ボックフェルド・シェール(3億5900万年〜4億1600万年前)と呼ばれる、石と粘土が多い頁岩土壌で構成されています。発酵はフレンチオークの小樽(228l)で野生酵母による自然発酵。樽はフランソワ・フレール50%、メルキュレイ47%、シャサン3%。樽の製造年は2018年が25%、2017年が22%、2016年が28%、2015年が25%で11ヶ月間熟成。生産量は500ケースのみ。
やや黒系果実寄りな表情で、メルローのようなぽってりとしたボリュームのあるボディが印象的です。標高が低く比較的温暖な粘土質土壌というのがストレートに分かる表情ですが、それでも全体像としてはエレガントかつ綺麗な佇まいで、ピノ・ノワールらしい軽妙さは健在です。仄かに果梗を感じるスパイシーな青さが程よい清涼感を生み出し、しっかりとした酸が常に感じられることもあり、粘土質的な重さに傾倒せずうまくバランスが取られている印象です。根幹を成すワインの質、そして品位などはイグニスの方にやや分がある印象ですが、その反面、誰が飲んでも素直にわかる明快な美味しさ、そして純粋な訴求力に関してはこのフレダの方にやや分がある印象でもあります。いずれも純粋なクオリティやポテンシャルは同じレンジに位置しているので、最終的には飲み手の好みで選べば良いと思います。
(2021/10)