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ラテン語で「火」という意味を持つ「イグニス」。畑の土壌が火成岩の一種でもある花崗岩で形成され、赤みを帯びた茶色の石が散見されることから名付けられています。ストームが手がける3つのキュヴェの中では最も繊細とされ、畑の標高は3地区の中間となる約125mで北向き。発酵はフレンチオークの小樽(228l)で野生酵母による自然発酵。樽はフランソワ・フレール70%にメルキュレイが30%。樽の製造年は2018年が20%、2017年が25%、2016年が18%、2015年が37%で11ヶ月間熟成。生産量は290ケースのみ。
ストームの3つのキュヴェの中では最も繊細とされているだけあり、良質なブルゴーニュを彷彿とさせるような赤系果実の甘旨味が非常に魅力的な表情を放っています。仄かな煮豆のニュアンスに、綺麗な果実の魅力、そして流麗でありながらもコアにある骨格は思いの外堅牢でブレがなく、ニューワールドらしい充実感が全体像をうまく支えている印象です。非常に良質で魅力的なピノ・ノワール像が展開されますが、純粋にブルゴーニュ然とした世界観というよりは、ニューワールドらしい魅力をうまくエレガントに仕上げているような系譜にあるので、どちらかというとニュージーランドの良質なピノとして有名なクスダ・ワインズに近い印象受けます。
(2021/10)