- Good Quality -
山梨県中西部に位置する甲斐市双葉地区の甲州を厳選して造ったキュヴェ。甲府盆地を望む開けた傾斜地というテロワールから、勝沼の岩崎地区とはまた異なる特性を持つワインが生まれています。熟成はオーク樽で約6ヶ月、生産本数は約1,500本。
色調は、山梨甲州や岩崎甲州よりもやや濃く鮮やかさのあるイエロー。甲州らしいスッキリとした軽やかなスタイルではあるものの、現時点で4年が経過していることもあってか、表情にやや妖艶さが垣間見られます。バランスは良好ですが、樽要素もより明確に感じる傾向にあり、造りそのものはややトラディショナルな雰囲気を醸し出しています。とはいえ、全体を通して最も主張しているのが「強い酸」で、ボティと一体化してはいるものの、それでもそれ以外の要素が控えめなこともあってか、結果として終始酸が突出している傾向にあるので、あまり一般受けするような親しみやすいスタイルではないかもしれません。それでも、シトラスの風味と明快な酸が織りなす表情は、どこか良質なマコネのワインを想起させるものがあり、全体像としては概ねポジティブな傾向にあります(酸が得意な人にはピンポイントでお勧め出来るかも)。
(2021/07)